だれかのために「なにか」をしたい
「役に立ちたい」
手伝いたい気持ちが強い、長女

長女は発達障害児であり、ADHDと自閉症スペクトラムと診断されています。
はじめてのモノ・コト・人や空気を読むのが苦手。
ルーティンに強く、弟の投薬管理もしてくれるしっかり者。
特別支援学級に在籍している中学1年生。

髪の毛が中途半端な長さだったので
切ろうかと思っていた時でした

子どもでもなにか他者を手伝えることがあると思い
髪の毛をのばしたいといった彼女(当時小学4年生)に
ニュースで見た、ヘアドネーションの話をしました

ヘアドネーションとは…

癌や白血病、先天性の無毛症、不慮の事故などにより髪の毛を失った子供たちに、
皆様に寄付していただいた髪の毛を使用して、完全オーダーメイドの人毛の医療用ウィッグを無償提供する活動
一人の子にウィッグを贈るのに、約30人分の31cm以上の長さの髪の毛が必要です
NPO法人HEROより

長女に、ヘアドネーションの説明しました

  • 病気で髪の毛が抜けている子がいること
  • ヘアドネーションは、その子のためにカツラをつくること
  • やりたくなければ、しなくてもいいよ
  • あなたの気持ち(意志)を大事するよ

すると、長女は少し考えて


「ヘアドネーションしてみる」
「髪の毛を切ったら、またのばせばいい」
「すてきなお仕事だね」
と言いました。

ヘアドネーション5ステップ

  1. ヘアドネーションできる美容院へ予約
  2. ヘアドネーションしたいと伝える
  3. 切ってもらった髪の毛とヘアドネーションの用紙を持って帰る
  4. ヘアドネーションしたよ、との返事がほしい場合は返信用封筒を同封する
    (返信用封筒を入れなくてもOK)
  5. 用紙と髪の毛を指定された場所に発送する

これだけです

手続き自体は、まったくむずかしくないですが
髪をのばすことには何年もかかりました

31センチが最低ラインになるので
ショートカットにするのなら、もうちょっと短い時間ですむかもしれません
でも、もう一度ヘアドネーションをするのであれば、ボブくらいに揃えておいた方がよいとのことでした

と、なると…
肩から31cmは長さが必要
いつまでにのびるのか
それは、個人差があってわからない

しかも、年単位…

見通しが立たないことが大嫌いな長女

髪の毛が、からまったり
冬場はドライヤーするのが嫌になったり
いろんな想いをしてきた彼女

それでもヘアドネーションをしたい!という気持ちは、かわらなかった

あと何センチで30センチになるかな?
あとどれくらいでのびるかな?

と髪の毛が伸びることを心待ちにしていました。

あなたのココロの奥底にあることは、「だれかのためになにかをしたい」
なにができるのか自分では、わからない
…でも、なにかできることがあればしたいというやさしい気持ち

発達凸凹ちゃんは、発達しないわけではありません。
周りの気持ちを読むことが苦手でも
すこしずつすこしずつその子のペースで成長していきます。

髪の毛をのばし始めて、3年…

長女は、小学校を卒業する年になりました。

3年かかかってのばした髪の毛は、肩から31cmを越えていました
そろそろヘアドネーションをしようと思って
長女に
「いつヘアドネーションをしたい?」
と確認すると…

「小学校を卒業したら(切りたい)」

区切りの年なのか…
小学校で髪の毛を切ってから登校するのが恥ずかしいのか…
中学入学を新たな気分を迎えたいのか…
本人の気持ちは、本人にしかわかりません。
親のわたしにできることは、本人の気持ちに寄り添うことだけです。

早速、近くでヘアドネーションできる美容院を探し
春休みに予約しました。

はじめてのヘアドネーション


たまたま、いつも利用していた美容院で「ヘアドネーション」ができました。
はじめてのヘアドネーションだったので
いつもとおなじ美容院にわたしが付き添うことで
ココロを落ちつけられたみたいです。

まずは、31cmあるのか?

どこまで切るのかの確認も兼ねてものさしではかってくれました
40cmの長さをとることができる、と言われたので
長女にどうする?と確認しました

ゴムでくくってから、ゴムの上の部分を切ります

「40cm切ったら、髪型どうなるかな?」

見通しがわからない不安が押し寄せるも
美容師のお姉さんがやさしく説明してくれました

40cmの髪の毛。袋に入れてくれて持ち帰れるようにしてくれました

ヘアドネーション用の髪の毛を切ったら、ごほうびに「シャンプー♪」
はじめてのシャンプーでしたが、気持ちよかったみたいです。
その後は、カットした髪の毛を整えていってもらいました

美容師のお姉さんからもうれしい「ごほうび」

ヘアアイロンと͡コテをつかって髪をキレイに整えてくれました
サラサラ、つややかになり、本人もご機嫌に♪

ヘアドネーションした本人の感想

●ヘアドネーションしようと思ったのは、どうして?
髪の毛がない人がいやな気持ちになっていると(ニュース)で聞いた
私はそれを無くすためにヘアドネーションしてかつらを作ってもらうことでいやな思いをしている人が減ると思ったから。
●髪をながくしていて、たいへんじゃなかった?
掃除のとき、髪の毛が邪魔だった
あと、髪の毛をかわかすの(時間がながくて)がいやになった。
●のばし続けられた理由を教えてほしいな
私は髪の毛を短くすることより長くのばすほうが好き。
髪の毛が長いとなんだかいい気持ちになれるから。
●3年伸ばした髪を切ったときの感想は?
こんなに髪の毛が長かったんだと思った
●また、ヘアドネーションやりたいって思う?
うん。思う。

最後に

今回の記事は、発達凸凹ちゃんの長女のお話を本人の許諾を得て書きました。
写真もいっしょに選んで、文章もメールでやり取りをしながら
インタビュー形式にしてみました。
「だれかの役にたちたい」
という長女の気持ち・想いをカタチにしたい!と、わたしが思ったのです。

発達凸凹ちゃんは、色鮮やかな世界観をもっている
それを言葉にしたり、人にうまく説明するのが苦手なだけ

今回は、ヘアドネーションで彼女の想いが実現しましたが
親として、どのような形で寄り添えるか
いつも手探りです。

でも、だからこそ本人の想いをたいせつにしたい!とわたしは思っています

長女からのメッセージ

凸凹の部分は、自分の特技でもあるから、たいせつにしたい。

 

これは、発達障害の告知をした後で出てきた言葉です。
障害告知のむずかしさ」のタイトルでブログを書いています。
良ければいっしょにお読みくださいませ

★家庭療育については、こちらからお読みください
「どんな子で、なにができるか?」

「ナニに興味をもって、どんなことができるか」を家庭療育に取り組む前に考えます。
⇒前回参照「家庭療育に取り組む前に必ずしてほしい2つのコト

投稿者プロフィール

りょう育ママ
りょう育ママ
3人の発達障害児(凸凹ちゃん)を育てるママ。
育児についてのリアル話や凸凹お役立ち情報をBLOGで発信★

「あつまれ!凸凹ちゃん」主宰
↓下の画像をクリックして、SNSもぜひフォローしてください。