個人の力を生かせるソフト面の「見守り」「声かけ」などでお互い助け合える社会にしていきたい

社会的背景

高齢化と少子化そして高齢者のみの世帯増加などを示す各種の統計データ、「施設から地域へ」という方針から総合的に考えると、

今後老々介護の問題や地域社会全体で介護の問題に向き合うことが求められます。

高齢者の子供世代に「なるべく高齢の親と同居して介護ましょう」と言っても、そこを劇的に変えることは非現実的でしょう。

長文になると伝わりにくいので対策としてのハード、ソフト両面の広い意味でのバリアフリーの一般論についてポイントを簡潔にまとめます。

 

1.家庭で介護する場合に住環境整備で対応可能な部分についての情報にアンテナを張り巡らせ、可能な限り導入して負担軽減を図る。

2.自分でできないインフラ整備等はどこを優先すべきかについて自分なりの考えを持ち、それを実現してくれる政治家を選ぶ。

あるいは、地域でそのような活動をしているNPO等の団体に伝える。

3.私の願いですが、個人の力を生かせるのはソフト面なので「見守り」「声かけ」などでお互い助け合える社会にしていく。

 

さて、ここからは具体論として、見守る力のあるコミュニティを創るために、ということで、私が過去に動いた事例について。

我が家は5年前にマンションに引っ越しました。

マンションに来て、近所付き合いがほぼないことに少し驚きました。

共有部分で顔を合わせた時に挨拶する程度。

地域にもよるでしょうが、一軒屋にお住いの方には伝わりにくいかもしれません。

3年前、輪番制で我が家がマンションの管理組合の理事になりました。

所有権者の父から「お前に任せる」と一任され、
副理事長になった私は月に1度の理事会に出ていました。

個人的に「同じマンションにどんな人がいるのかよく
分からないというのはなんだかな」という思いがあったので
私は理事会で住民同士が交流できるように積極的に動きました。

車椅子に乗って理事会に出てくる最年少の私の積極性に賛同して下さる
方がいて「公園の清掃などの機会に、独居の方にも可能な限り出て頂き、
なるべく顔を合わせるようにしていこう」ということになりました。

このように一人の小さな動きから世の中は変わっていくと私は信じています。

私の住む街を歩いていると「向こう三軒両隣力を合わせて空き巣を撃退!」
という看板を見かけます。

空き巣を撃退できるなら見守りもできるはず。

認知症の人がいる家の人が事情を話しておけば近隣の人は気にかけるようにする。

せめてそれくらいの関係のあるコミュニティを作りたいと思うのですが、

認知症当事者本人とご家族からすればそのような繊細なことを近所に知らせたくないという

思いもあるでしょう。

個人情報保護が優先されがちですが、簡単な状況だけでも共有することの方が大切だと私は思います。