ある「ひきこもり講演会」に行きました。
その講演会の募集定員は80名でしたが、当日参加も含め168名もいらっしゃいました。それだけニーズが高いのでしょう。高齢の方々の参加がものすごく多く8050問題を身近に感じました。

 

 

内閣府は十年前、ひきこもりは70万人と推定しましたが、これは15歳から39歳までに限っていました。(実際、島根県・山形県ではひきこもりの半数以上は40歳以上ですし、山梨県では40代以上が6割弱です。内閣府の計算方法ではこれらの人ははじかれています。)【ひきこもる女性たち 池上正樹著 ベスト新書 より抜粋】

また「自宅で家事・育児をしている人」も除かれているので、女性のひきこもりの方はカウントされてはいません。ですから実際はもっともっと多いはずです。

ひきこもる人のこころの回復のためには「感情を言葉にする作業が大事」で、ひきこもる人のこころに「安心感」がなければ、内なる気持ちは言葉にはできない・・と学びました。

これと同じアドバイスを別の講演会でも聞いたことがあります。つまりこれはひきこもり支援の鉄則なのでしょう。

「お前、いつまでそんな状態でおるんや!」という親の姿勢では、子どもの回復はないということなのです。

変化のきっかけになった言葉として 「ある日、父が、『おまえの面倒を見れなくなってきたけど、最後まで見捨てないぞ』 と言われて感動した」という当事者の紹介がありました。

ひきこもりを治そうというよりも、娘や息子の人格をありのままで受け入れることのほうが大切なのですね。
また、「親は親で自分の人生を楽しむ方がいい」 ともおっしゃっていました。加えて「あきらめないよ」「見捨てないよ」というメッセージを送り続けることも、とても大切だともおっしゃっていました。

子どもがひきこもると、親も一緒になってひきこもるケースが多いのですが、それは双方にとってもよくないのです。
親の情報収集とその情報提供はとても大事で、「こんな集まりあるよ」のように、さらっと(あくまでさらっと)子どもに紹介しておくことが、一歩踏み出すきっかけとしてとても有効だそうです。

また「日常会話を豊かにする。」「くだらないこともしゃべる。」つまり 自由に思いのまま語れる環境や関係がひきこもり支援の根っことしてとても大事であるともおっしゃっていました。


色々なひきこもり講演会に参加してみて、多くのアドバイスに共通項が多く、ひきこもりの支援には「成功の原則」が存在すると感じました。