こんにちは(^^)

療育施設に対するニーズの一つに「言葉の促進」があります。

音楽療法士のわたしが、このニーズに応えるためにどうしたらいいでしょうか。

言葉の促進なので、音楽療法では「歌」でアプローチします。
脳の部位で、言葉を司るブローカ(発語)、ウェルニッケ(言語理解)という領域のすぐそばに、音楽の
部位があることは要チェックです。

以下はブロードマンの脳地図よる、音楽×言葉の可能性です。

発話を司るブローカのそばに「音楽を感じる部位」があります。

聞こえてくる言葉を理解するウェルニッケの横に音感覚の部位があります。

耳と言葉が関連するように、言葉と音楽も非常に関連が深いのではないでしょうか。

※引用元 聴覚と言語の世界:永渕正昭 1997東北大学出版会

療育開始当初は目が合わない、発語が無い、指差しが無い、というところから

スタートするのでその状態からどうやったら子どもは歌うようになるのかを考えていきます。

そこで役に立つのが、発達段階です。特に音楽の発達段階です。

発達検査は、子どもたちに検査を実施するだけではなく、普段から眺めて「この子はどの段階にいるかな」

と発達段階を頭に入れる練習をします。

「歌が歌えれば、言葉が増える」という結果を積みたいですよね。

以下、歌の発達の道筋です。

①発声(母音、子音がどれだけでているかチェック)

②一音節の言葉を話す (特定の人や物に向かってママ→「マ」、バナナ→「バ」など)

③擬声語、擬態語 (猫→ニャー、扉を閉める「バタン」など、周囲の音を模倣し始めます)

④歌の一部分を真似る (きらきら星のキラキラ光る→「キラ) → 有意味語が増えて、一語で話始めます。

⑤歌を1フレーズ歌う (言葉の発音はやや不明瞭、リズムはとれていない、音程はとれていないが、「どんぐりころころ どんぐりこ」を

なんとなく歌っている) →そろそろ、2語分を話始めます。

というのが(あくまでも)私の目安です。

この他にも、指差しがあるかどうか、母親やセラピストの歌いかけに対する反応の有無なども、発語に関連

するため、常にチェックです。

9年間同じ音楽のアセスメントを使って、その効果を療育の前後で比較検討し(療育施設や保護者さまにはお世話になりました)、

自分の子どもにも使って、得たのが上の目安です。

歌の発達や音楽の発達については、

奈良教育大学の福井一さん 「音楽の感動を科学する」 音楽の感動を科学する ヒトはなぜ“ホモ・カントゥス”になったのか 2010 株式会社化学同人
ダニエル・J・レヴィンティン 「音楽好きな脳」2010 白揚社

などのの発表や著書が参考になります。

音楽を発達検査のように、音楽発達段階として細分化して、年齢が上がっていくと

この音楽活動はできる、など階段のように設定されている指標があれば、療育に使いやすいですね。

このシリーズでは、私のライフワークについて記していきます。まだ解っていないことも多いので、

しっかりと勉強していきます。