知的障害の子供たちや保護者は、これからたくさんの人と繋がって生きていって欲しい

ゲストの大西紀子(のりこ)さんは、
インタビュー史上初の2回目の登場となります。
お子様の成長をフォローアップする趣旨でお願いしました。

大西さんの発言を要約してテキスト化しています。

幼少期から中学入学まで
を伺った1回目のインタビューが前提の内容になるので、
読まれていない方は、
今回の記事をご覧になる前に、
まず、(こちらの記事)をご覧下さい。

中学生になったお嬢さんの成長

前回の取材時から2年が経過し、
中学3年生になったお嬢さん。

この間の成長について、
定型発達の子供たちと比べると、
差は広がっているかも、
としながらも、
中学生らしく成長してきている
と感じています。

具体的には、
・(女子会に強い憧れがあり)
同性の友達と遊びたい、と思う。
・好きなキャラクターを
より一層好きになり
グッズを集める。

お小遣で好きなものを買っている。

また、異性を意識し、
自分の容姿を気にするようにもなった。

更に、地域の支援学校高等部ではなく、
筆記試験などもあり、倍率も高い
県立の特別支援学校高等学園を
目指す事に決め、
「受験生」の自覚も芽生えた。
付随して、
社会のマナーやなりたい自分などへの
強い意識を感じるとのこと。

他方で、単独行動については
親として物足りなさを感じていて、

例えば、
・一人で電車に乗る。
・買い物をする。
・友達と遊びに出かける。
などやればできそうではあるものの、
まだ一歩踏み出せずにいる。

前回のインタビューで、印象に残ったのが、
お嬢さんの成長段階に応じて、大西さん自身が
感じる戸惑いの質に変化があったとおっしゃっていたこと。

―戸惑いの質はその後も変化し続けていますか?

凛とした姿勢でお嬢さんの成長を支える大西さん

(大西)
はい。
成長段階に合わせて、
子供の悩みはその都度、
変わります。

みんなと比べて、
算数ができない点は以前の悩みでした。

これについては、娘自身
自分の特徴を十分理解し、
できることをできる範囲で行うように
なりました。

買い物の練習もし、
細かい計算はできなくても
大体500円で払えばお釣りがもらえる
などの感覚を身に着けてきています。

自分は何ができて何が苦手なのか?
苦手な部分はどうすればよいか、
親や先生、放課後等デイサービスや
塾の先生などに相談しながら
自分で解決できるようになってきました。

現在大きいのは、娘の気持ちに対する戸惑いです。
成長とともに、感情が豊かになりました。

・友達が待ち合わせに遅れてくる
・学校の先生が注意する時の言葉遣いが嫌
・もっと勉強がしたいのに
作業をしないといけない
・たばこをポイ捨てしてる人がいるけど
なんであんなひどいことをするのか、
など…。

学校から帰ってくると
不満をぶつけてきます。
言葉を額面通りに
とらえるのが娘の特徴。

ダメと言われたことはダメ。
「遅刻してはいけない!」
という自分の理解の中で
遅刻してくる人がいる。

すると、イライラが止まらない…
といいう感じです。

いろんな人がいる事、
臨機応変、その時の状況など、
いろんな場面があることをその都度、
話しています。

また、大人になっていくにつれて、
みんながあまりやらなくなること。
例えば、キャラクターの文房具を持たないとか、
持ち物に大きく名前を書かなくなる、といったこと。
そういう事をまだ娘がやっていて、
不思議な目で見られたりするのは
どうしたらよいかと悩んだりもします。

もう一つは、挨拶!
これって難しいですよね。
「大きな声で元気よく挨拶をしましょう」
って小学校では言われますよね。

マンション内で知っている人には挨拶するけど、
知らない人には挨拶しない?

道路ですれ違った人には挨拶はしいない?
バスの運転手さんには
挨拶する?など。

こうして、現在の悩みをまとめてみると、
自分自身の悩みというよりも、
周りからどうみられるのか?
周りの状況はどうなのか?
社会とのつながりの中での悩み
ですね。

支援学級における思春期の子供のサポート体制

障害の有無に関わらず、
子供の成長は十人十色。

その中で中学生時代は、
一般的にいわゆる思春期や反抗期
になっていく時期ですが、
障害があるが故の特徴はどうなのか。

支援学級の子供たちも、
通常通常学級の子供たちも
みんな同じように思春期を迎え、
いろんな悩みの中で自立していく
としたうえで、次のようにおっしゃいました。

残念ながら、お嬢さんがいる環境では、
支援学級の子供たちの思春期を感じ取り
サポートしてくれる体制が
整っていなかった。

特に、異性について。

娘は小学校で、通常学級にいたので
保健体育の授業もあり、
いろいろと学んできました。

また、小学校時代に通常学級で学んだ
着替えのマナーや異性との距離の取り方
など。

中学校の支援学級では、
手をつないでこようとする男子や
教室内で生理用品を取り出す女子がいて
戸惑ったそうです。

(大西)
障害があるが故の思春期の特徴
というよりは、
障害児が思春期を迎える時期の
教育体制に
戸惑いや不満があります。

思春期を迎えて、自分が何者なのか
周りと比べ、悩みながら
自我を形成していく子供たち。

支援学級にいて、
みんなと違うカリキュラムで
作業などをする。

その中で、周りと違う自分を知り
認めていくことは
とても難しいと思います。

いつも、助けられる存在・・・。
褒められる事や成功体験が少ない状況・・・。

思春期をサポートしてくれる教育環境が
しっかりと整って欲しいと思っています。

ー大西さんが感じている
この時期における支援級の
環境の不備を改善するには
どうすればいいと思いますか?

(大西)
支援学級は支援学校と異なり、
その子それぞれに合った
カリキュラムを組むことが
可能だと聞いています。

護者と支援学級の担任、
そして学校側の責任者とともに
十分に話し合って1年間のカリキュラム
を作っていく事が大事だと思います。

また、<交流学級での交流の仕方>

というものが
文部科学省の支援学級の例
などに載っています。

学校によって支援学級の考え方、
理解のされ方が違うように感じています。

学校全体で支援学級の生徒たちと
普通クラスの生徒たちとの交流について
考えられる仕組みができれば良いと思っています。

 

その他は普通の思春期と同じで、
ちょっと言葉がきつくなって
「こんなの一人でできるから!」
と言ったり、鏡をみて
髪形をおしゃれしたり。

大西さん親子が直面した現実と支援級のあり方についての提言

大西さんは支援学級で学習が制限されることに
違和感があり、そのあり方について
学校と話し合い、模索されてきました。

学校と折衝を重ねたものの
なかなか大きな変化はなかった。

支援学級の取り組みに力を入れている学校
はあるでしょうし、熱心な先生方も
たくさんいらっしゃると思うが、

お嬢さんが通う中学では
校長先生の交代により
引き継ぎがうまくいってないと
感じた。

そうなると、
また一からになる。

そんな中でも、
なんとかお願いし、
今まで授業になかった受験科目である
理科が取り入れられる
と言う成果もあった。

自分に必要な配慮を伝えることはとても役立つスキル

(大西)
他にプラスと感じるのは、
私が学校に要望を
伝えに行ったりする様子を
娘に話していたことで、
娘自身が嫌な事、困った事があるときは
配慮してもらうように
伝えなければいけない!
と自分で思うようになってきている事です。

例えば、ブロック交流会で
他校の支援学級の小学生と中学生が
集まる。

娘はうるさい声を出す人が苦手です。

その時にそういう人と一緒の班
にならないように予め先生に
配慮してもらうように伝える。

これが自分から
できるようになってきています。

「今日は配慮してもらおう!」
「今日は自分で解決できそう!」
などと言う姿を見ると、
私も嬉しくなります。

社会に出た時に自分に必要な配慮
を伝えることはとても役立つスキル
だと思います。

ただ、今はまだ練習中というか
まだまだ中学生レベルで配慮が
「わがまま」になることもあります。

ですので、よく話し合っています。

 

以前のインタビューで、
「発達がゆっくりな分、歳を重ねるにつれて、
通常発達の子供たちとの差が際立つのかも」
という話がありました。

この部分はその後更に歳を重ね、
どうなっているのか。

中学生になってからは
周囲の子供たちとの差
というよりは、
通常発達の子供たちと
違う道を歩んでいる
という気持ちが強い
大西さんは述べています。

特に、支援学級を選ぶと
通常学級とは違うカリキュラムで学び、
自立することと、働くことを目指す。

そんな学校での日々は、
高校受験のために知識を身に付け、
部活動などに励む普通クラスの子供たち
のそれとは異なる。

支援学級の生徒たちも余暇の部分や部活動
などで同じ目線に立てると良いと思う。

とはいえ、現実はなかなか難しい。

知識をどんどんと身に付け、
行動範囲も広がり、
部活動や習い事で個人個人の活動の幅
が広がっていく通常クラスの子供たちと
作業学習に励む支援学級の子供たち。

違う道を進んでいるようだと。

ー通常学級の子供達も遠くない将来、
それぞれ違う道を歩んでいきます。

それを先取りして
職業的な自立ができることを
優先された訳ですよね?

それでも、お嬢さん本人より
大西さん自身に不安があるように感じます。

支援学級を選んだのは、
将来を見据えた上での
総合的な判断で後悔はない

と思いますが、
その辺のお気持ちは
どうでしょうか?

また、中学生という時期は
障害の程度や特性にもよるでしょうが、
完全に分かれてしまうよりも
もっと通常クラスの子供達と
同じような経験をできるだけ積める
形の方がいいと思いますか?

(YESorNOで。YESならば、
どのようにすれば良いと
お考えでしょうか)?

(大西)
支援学級を選んだことに
後悔はありません。

ただ、地域によって
こんなにも支援学級の考え方、
運営に差があるという事に、
驚き、落胆しました。

普通級の子供たちと同じような経験を
積めるような形がいいかどうかは、
「YES」です。

何ができて何ができないかは
本人が決める問題です。

もし、自分で決める
または判断することに
苦手な特徴があれば、

保護者や先生が子供を
よく観察して、総合的に
判断すると良いと思います。

また、チャレンジして
失敗したとしても
それが経験となることは
普通級の子供たちも同じです。

娘は3年生の修学旅行のプログラムを
何の話し合いもなく
普通級の子供たちとは違う、
簡単なプログラムにされる
という経験しました。

我が家の場合、支援学校ではなく
支援学級を選びました。

娘も私も、地域のお友達と
一緒に育っていきたい。

将来就職するための作業学習の他に、
様々な体験をして欲しいと願って、
先生と話し合って決めた道です。

少なくとも、そのような要望
がある子供には普通クラスで
参加できる授業、行事、部活などの
門を閉ざす事なく十分に話し合い、
学校としてできる事、

支援学級としてできる事、
本人の課題などを
総合的に判断して
学習を進めていくべきだと思います。

さらに、心理士などの資格を持った専門家が
定期的に学校側や担任の相談
に乗れるような環境にあれば、
とても良いことだと思います。

将来を見据えての進路選択

地域によって運用に差がある
ようですが、
療育手帳の更新手続き
はどのようなものか。

大西さんのお嬢さんの場合は
2年ごとの更新らしいです。

市役所から更新の書類が届き、
地域の児童相談所で発達検査を行い
更新。

進路選択について

このインタビュー時
お嬢さんは特別支援学校の高等部に進学予定
と伺っていました。

この進路選択の経緯について。

※支援級に在籍している以上、
普通校という選択肢はないのか
と言う素朴な疑問が私にはありました。

中学校の支援学級に入学するときに
二つの選択肢があると聞いていたそうです。

「知的障害特別支援学級」

療育手帳を持っている生徒が入学し
普通クラスとはカリキュラムが異なり
テストなどはなく、
一般の高校への進学はできない。

ほとんどの生徒は
支援学校の高等部
に進学する。

「自閉症・情緒障害支援学級」
朝の会や帰りの会、給食などは
支援学級で行い、
それ以外は普通クラスに所属する。

テストや成績表もあり、
一般の高校への進学
もできる。

特例として、校長の許可などがあれば、
知的支援学級の生徒も
一般の高校へ進学できる場合がある。

お嬢さんは発達検査により
知的支援学級へ振り分けられた。

知的支援学級では、
1年生から3年生まで
同じクラスで、先輩ママから
様々な進路情報を聞けた。

その中で市内の支援学校高等部と
県立の支援学校高等学園の
二つの選択肢が浮かび上がった。

どちらも見学して、
説明会や文化祭に足を運び
県立の支援学校高等学園に
進路を決めた。

市内の支援学校高等部の場合、
入試はなく、入学希望の
知的障害の生徒ほぼ全員が
入学可能。

つまり、子供の学びのレベルにバラツキがある。

そこでは、卒業生の半数以上が福祉作業所などで
就労する。

一方、県立の支援学校高等学園は、
「国・算・社・理」の筆記試験の他
作業試験、運動試験、面接により
一定の基準を満たした
生徒が通う。

卒業後は一般企業への就職を目指す。

決め手は卒業後の就職に向けて、
企業での研修など3年間しっかりとした
カリキュラムがあり、
就職だけを目指す
「出口指導」ではなく、
その先も見据えて、
本物の働く力を身に付ける事を
目的としている点だったとのこと。

ー進学に際して、
普通校を目指す子供は、
受験生として入試の準備をしますが、
支援校の場合はどんな感じでしょうか?

受験試対策の違いを教えてください。

(大西)
私が住む千葉県の場合は、
入試内容は、前述の通りです。

普通校との違いは全ての試験で、
配慮が必要な場合は
あらかじめ申請
することができる点です。

支援学校中学部や
中学校の支援学級から
受験する生徒が多いと思います。

ただ、通っていた学校により、
授業のカリキュラムが違います。

―中学時代の授業内容に
かなり違いがあるようですが、
知的障害児のための塾に
お嬢さんは通われているそうですね。

そのようにして受験対策するのは、
一般的なのでしょうか?

(大西)
どうでしょう・・・。

通い始めてまだ1年なので
正直多数派かどうかはわかりません。

ですが、今通っている塾は
25年の歴史がある大手です。

学校が研修を
委託するような塾です。

娘が授業を理解できなくなってきた
小学5年生の頃から先生が準備してくれた
個別の勉強課題も、
この塾のモノでした。

この地域で知的障害児のための塾
といえばここです。

最近受けた模試の人数から推測すると、
県立の支援学校高等部を目指す
多くの子供が塾に通っていると
推測されます。

娘の通う支援学級では、
受験科目の理科の授業を新たに
取り入れてもらえましたが、
「テスト」がありません。

「試験を受けて、合格する。
→その学校に通える」
というイメージを持つことが
とても難しい環境です。

ですので、知的障害児を
対象にした塾を探し、
県立の支援学校高等部を
目指すための「受験対策コース」
に通い始めました。

模擬試験もあります。

机の上で勉強し、テストで得点するための
勉強を始め、「受験生」という自覚を作る。

と同時に
問題を解く、
テストに慣れる
という事を頑張ってきました。

テストは、問題用紙と回答用紙に
分かれています。

最初は回答用紙に書く、
という事が分からず、
問題用紙に回答を書いていました。

やはり、経験と慣れが必要です。

自分の育児経験を役立てたい

 

(大西)
受験するという事を
学校側には伝えていました。

「テスト慣れ」のサポートを
学校でして欲しい
と思っていた大西さん。

しかし、お嬢さんの学校は
受験に対応していない、
と明言。

これは大きく考えると
差別になるのでは…

と疑問を持った大西さんは
学校側に働きかけ続けました。

※障害者差別解消法が施行されて、
教育の場面において、障害を理由にした
差別的取り扱いは禁止、

過重な負担にならない範囲で
合理的配慮の提供をすることが
義務付けられています。

ですので、大西さんの疑問には
合理性があると思います。

―大西さんのように
積極的に学校に提案する
保護者の方は、他にもいますか?

(大西)
あまりいません。
とても悲しいです。

私の周りでは、
知的障害児は可哀想
と思っている保護者もいます。

もしくは、周りに迷惑をかけないように
生きていかなければいけない
と思っているようです。

他方で、子供の将来のために、
たくさんのお金を遺す。

そして、自分が面倒を
見ていかなくてはいけないと
思っているお母さんもいます。

自分の子はかわいいけど、
理解しがたいことも多い。

そのため、お母さん自身が
困っている場合もあります。

また、今でも知的障害を
なるべく隠したい
と思っているお母さんもいます。

知的障害があっても輝いている人
社会で活躍している人を
たくさん目にすることができたら
きっとお母さんたちも
自分の子供を認め、理解できる。

そうすれば、希望をもって
学校側にも要望や提案を
していけるのではないでしょうか。

今、たくさんの資料を
学校側に残す作業を
私はしています。

受験の様子もそうです。

これからは障害を持った人が
一般企業で働いていく時代。

まずは声をあげなければ、
誰も知ることがありません。

のインタビューも、
私にとって、また同じような
知的障害の子供たちや
その周辺にいる方々の
役に立っていたら、
とても嬉しいです。

そこをつなぐ島本さんに
とても感謝しています。

一人ではなく、
たくさんの理解者がいる事を
忘れたくないといつも思っています。

知的障害の子供たちや保護者は、
これからたくさんの人と繋がって
たくさんの人の中で
生きていって欲しいと思っています。

そのためにも、
まだまだ学校に提案していきたいし、
これからも声を上げていきたい
と思っています。

受験に向けての取り組みとしては
何度も受験校の説明会や文化祭
に足を運び自分はこの学校
に通いたいのか、

何のために通うのか、

卒業した後の進路
はどうするのか?

と考えることも
大切なポイントとしました

あともう一つ進めているのが
「自力通学」に向けた練習です。

目標にしている学校は、
「自力通学」が条件です。

今、電車に一人で乗る練習をしています。

電車が遅れたとき、
乗り過ごしてしまったときなど、
様々な状況でも自分で対処できる力をつけ、
将来、働いた時も電車通勤が
問題なくできるように
「自力通学」できることが条件です。

―ところで、中学までの9年間を普通級で学び、
高校から特別支援教育の道を行く
お子さんもいますか?
(ご存知なら教えてください)

(大西)
私の知る限りではいません。

2019年度から高校にも通級制度ができる
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/1387824.htm>

ようなので、利用する人はいるかもしれません。

新たな一歩も希望に満ちている

ちなみに、お嬢さんはその後入試を見事突破し、
2018年4月志望校入学を果たされました。

2年半前に初めてインタビューさせて頂いた時と同じく、
大西さんはお嬢さんの将来を見据えて
子育てをされていると感じさせるインタビューとなりました。

支援校入学後の将来に向けた
イメージも明確に描いていらっしゃいます。

進学先では、しっかりとした
カリキュラムが組まれていて、
入学後、1年生から
企業研修がある。

それに沿って、
働く力を身に付ける

また、同じ境遇の友達を
たくさん作り、
部活動や余暇活動も
楽しんで欲しい

憧れている女子会で
スイーツを食べたりと
楽しんでもらいたい。

そして、働く力をつけ、
卒業後は希望をもって就職する。

勿論、余暇活動も楽しめるように
なって欲しい。

(大西)
障害者の就労について
一般企業の就職枠
がどういうもののなのか、

入学後障害者の就職についての状況、
具体的には勤務時間や給料面など
学んでいきたいと思っています。

※この点については、障害の種別は異なりますが、
先に障害者雇用の現場にいる私から情報提供できれば、
と考えております。

―2年半前にインタビューした際、
インクルーシブ教育の重要性
を大西さんはおっしゃっていました。

支援校に進む場合、
これまで同様に地域の子供と過ごす
機会は減るでしょう。

その点についてはどう考えているのか。

少し不安もあるが、
進学先には企業との
強い結びつきがあり、

社会との繋がりが
とても強い。

同世代の子供たちとの繋がりは
減るかもしれないが、

社会と繋がることで、
たくさんの事を学べるのではないか
とのこと。

また、電車通学になり
行動範囲が広がる。

世界が広がることに
不安もあるが、
大きく希望を膨らませていたい。

学校の中でのインクルーシブ教育が
今度は、社会での教育となる。

様々な人たちと学び合っていきたい
と力強い言葉を発せられました。

(大西)
小学校は地域の通常学級、
中学校は地域の支援学級、
そして次のステップとして
県立の支援学校高等学園に入学します。

いつも進路選択に悩んできました。

それぞれの場所にメリット、
デメリットの双方があると思います。

正直、何が正解かはわかりません。

まだまだ障害のある子供についいての
専門家も足りない状況で、
環境が整っていない面もあります。

それでも、声をあげながら、
楽しんで学んでいける場所を探して
進んでいきたいです。

不安に思えば、すべてが不安。
不満に思えば、すべてが不満。

そういう気持ちではないところに、
答えがある
最近は思えるようになりました。

もう、知的障害のある娘の母として
15年やってきましたから(笑)。

まだ新しい発見もありますが、
だいぶ慣れましたね。

でも、支援学校は初心者!

気を引き締めて親子で
次のステップに向けて頑張ります。